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[ PRESS RELEASE ] 2001-0230
平成13年11月7日
富士通株式会社
株式会社富士通研究所

ゲノム創薬の研究開発を支援する
高分子対応分子軌道計算プログラムの最新バージョン
「MOPAC2002」を発売開始

〜生体内のたんぱく質をよりリアルにシミュレート〜


富士通株式会社株式会社富士通研究所(社長 : 藤崎道雄 本社 : 川崎市)はこのほど、生体内のたんぱく質の立体構造や電子状態をリアルにシミュレートできる、UNIX & Linux版高分子対応分子軌道(*1)計算プログラム「MOPAC(モーパック)2002」を開発、本日より発売開始いたします。
価格は、企業・官庁向けは60万円から、教育機関向けは30万円からで、国内、海外を合わせて2003年3月までに200本の販売を目標としております。

MOPAC(*2)は、化学・創薬研究者に広く利用され、ゲノム創薬(*3)に役立つプログラムで、MOZYME法(*4)の搭載により1万原子を超える高分子の分子軌道計算ができる世界で唯一のプログラムです。
新製品では、水等の溶媒中で行う場合の計算モデルの手法「Linear-scaling COSMO(リニアスケーリング コスモ)法」を新たに開発しました。これにより、生体内のたんぱく質の立体構造や電子状態をシミュレートすることが可能となります。また、計算精度を向上させた新パラメータ(定数)「PM5」とあわせて利用することで、よりリアルな状態をシミュレートすることが可能となり、最近益々盛んになってきたゲノム創薬の研究開発を、たんぱく質の立体構造や電子状態に基づく見地から強力に支援します。

【MOPAC2002の主な新機能】
  1. Linear-scaling COSMO法
    水等の溶媒中における分子の分子軌道計算を行う手法のひとつであるCOSMO法を、使用メモリが少なくなるように改良したもの。これまで使用メモリ量が原子数の3乗に比例していた計算を原子数に比例する使用量に抑えることができます。これにより、従来1000原子分子を計算するのに8GB以上のメモリが必要でしたが、数10MBで可能となり、使用メモリが多いため計算が困難だった生体内のたんぱく質の立体構造や電子状態をシミュレートできます。

  2. 新パラメータ(定数)「PM5」を追加
    分子のもっている生成熱の計算において、MOPACの中で最も実験値に近い値になるパラメータ(定数)である「PM3(*5)」を改良し、計算精度を約1.7倍向上しました。これにより実態に近い計算値をだすことが可能となります。

  3. AM1(*6)パラメータ(定数)として、従来のPt, Fe, Cu, Ag, Moに対するパラメータ(定数)に加え、新たにLi, Be, B, Na, Mg, K, Caに対するパラメータ(定数)およびAM1-d(*7)のV, Pdに対する遷移金属パラメータ(定数)を追加

  4. MNDO(*8), AM1, PM3のパラメータ(定数)を追加し、どのパラメータ(定数)でも同じ元素種が計算可能

  5. MOZYME計算結果の局在化軌道から正準軌道への変換法の改良

  6. MOS-F(*9) 5.0(RPA法(*10)による励起状態計算を追加)
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【商品体系と価格】

MOPAC2002製品例(下記以外はお問い合わせください)
(1)MOPAC2002 for Linux企業・官庁 :\600,000教育機関 :\300,000
(2)MOPAC2002 1ライセンス企業・官庁 :\800,000教育機関 :\400,000
MOPAC2002 2ライセンス企業・官庁 :\1,360,000教育機関 :\680,000
MOPAC2002 5ライセンス企業・官庁 :\2,600,000教育機関 :\1,300,000
(3)MOPAC2002 並列版(4CPUまで)企業・官庁 :\2,800,000教育機関 :\1,400,000
MOPAC2002 並列版(8CPUまで)企業・官庁 :\4,000,000教育機関 :\2,000,000
MOPAC2002 並列版(9CPU以上)企業・官庁 :\7,000,000教育機関 :\3,500,000

【販売目標】

2003年3月までに国内、海外を合わせて200本

【動作環境】

OS : Tru64 UNIX,Solaris,IRIX,HP-UX,AIX,Linux
メモリサイズ : 1GB以上推奨
ディスクサイズ : 500MB以上推奨

【用語説明】

*1 分子軌道 :
分子における電子の存在確率分布。分子軌道を見ることにより分子内のどこに電子があるかがわかる。
*2 MOPAC :
富士通のコンサルタントJames Stewart博士および富士通、富士通研究所で開発されている高分子対応分子軌道計算プログラム。
*3 ゲノム創薬 :
がんなどの病気の原因となる特定の遺伝子やたんぱく質の情報に基づいて、その働きを抑える薬を開発したり、個人個人の遺伝子に合わせた効き目の高い薬を開発する方法。
*4 MOZYME法 :
MOPACの計算手法を大規模分子(たんぱく質等)向けに改良した最新計算手法。
U.S. Patent 5,604,686. 国内特許出願中。
*5 PM3 :
Dr.Stewartにより開発され、MOPACで使われてきた計算用パラメータのひとつ。
*6 AM1 :
テキサス大学の故Dewar教授により開発され、MOPACで使われてきた計算用パラメータのひとつ。
*7 AM1-d :
AM1をd軌道まで拡張したパラメータ。
*8 MNDO :
MOPACで使われてきた計算用パラメータのひとつ。
*9 MOS-F :
富士通研究所が開発した励起状態(分子のエネルギーが高い状態)の計算に適した半経験的分子軌道計算プログラムで、可視・紫外のスペクトル計算などが可能。
*10 RPA法 :
励起状態計算を行うための計算手法。

【商標】

掲載されている会社名、商品名はそれぞれの会社の商標または登録商標です。

以 上

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製品紹介ホームページ http://software.fujitsu.com/jp/chem/


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