最大40GBの大容量を実現した2.5インチ磁気ディスク装置 新発売
〜 デジタル家電機器からモバイル市場まであらゆる用途に対応 〜
当社はこのほど、最大容量が40ギガバイト(GB,ギガは10億)の2.5インチ磁気ディスク装置(HDD)「MHRシリーズ」を開発し、国内は富士通コワーコ株式会社より、海外においては当社の海外拠点を通じて、10月30日より販売を開始いたします。
当商品は、2.5インチHDDでは業界最高の1平方インチあたり36.4ギガビットの面記録密度を実現することで、ディスク1枚あたり20GB、最大40GB(ディスク2枚使用時)の大容量を実現いたしました。最大容量のHDDには、DVD映画約10本分(1本あたり4GB)、デジタル写真4万枚分(1枚あたり1MB)、音楽CD約600枚分(MP3 (*1)圧縮したCD1枚あたり65MB)、電子メール約80万通分(1メールあたり50KB)の情報を記録することができます。加えて、ボールベアリングモータのみならず、静音性、耐衝撃性、耐久性に優れたFDBモータ (*2)を採用した商品も提供いたします。
これにより、ノートPCをはじめ、デジタル家電機器からポータブルHDDサブシステム、MP3プレーヤーといったモバイル市場に至るまで、幅広い分野でご使用いただけます。
なお、当商品は、富士通研究所(社長:藤崎 道雄、本社:川崎市)が平成13年8月に発表した、記録密度を従来比の3倍に向上させる能力をもつ「SFメディア (*3)」を採用しております。当社は、この技術に加え、再生時に従来の2倍以上の高出力でデータの読み出しが可能な「ダブルスペキュラー型GMR(Giant Magneto-Resistive:巨大磁気抵抗効果)ヘッド」とデータの記録能力を30%以上向上させた「高精度記録ヘッド」などを採用することで、2年後には、ディスク1枚当り100GBの商品を提供する予定です。
さらに、2.5インチHDDとしては業界で初めて、無鉛はんだを使用したプリント回路基板を採用しています。これは、第3期富士通環境行動計画に基づくものです。
【OEMサンプル出荷時期】
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平成13年11月より順次出荷開始
【販売目標】
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今後1年間で800万台(MHRシリーズ合計)
【「MHRシリーズ」の特長】
- 1.2.5インチHDDで最大容量40GBを実現
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面記録密度を業界最高の1平方インチあたり36.4ギガビットまで高密度化することで、ディスク1枚あたり20GB、最大40GBの装置を実現しています。10GB、20GB、30GB、40GBの4つの容量の商品を提供します。
- 2. ATA-100インターフェースに対応
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標準インターフェース規格であるATA-6のULTRA DMA 100をサポートしています。これにより、ディスク装置とパソコンなどとの間で、最大毎秒100MBのデータ転送を実現しています。
- 3. FDBモータ(*2)を採用した商品を提供
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FDBモータは、従来のボールベアリングモータに比べ、静音性、耐衝撃性、耐久性に非常に優れており、高性能、高信頼性を実現しています。
- 4. 無鉛はんだを使用したプリント回路基板を採用
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「第3期富士通環境行動計画」で定めた目標に基づき地球環境への配慮を強化した「グリーン製品」です。同計画では『グリーンライフ21』の『当社が製造する製品の鉛はんだを2002年12月末までに全廃する』ことを目標として掲げており、当商品は、2.5インチHDDとしては業界で初めてプリント回路基板に無鉛はんだを採用しています。
【用語説明】
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- *1 MP3
- ISO(国際標準化機構)とIEC(国際電機標準会議)が制定している動画圧縮技術方式のひとつである、MPEG Audio Layer-3の略です。
- *2 FDBモータ
- 粘性のあるオイルによる流体軸受け(FDB)を回転保持部として用いるモータです。金属製のボールベアリングモータに比べ回転軸のブレが少なく、ヘッドの位置決め精度が高いため、データの読みこみと書きこみの性能を向上させる事が可能です。また、金属同士の接触による摩擦が無いため、静音性、耐衝撃性、耐久性に非常に優れています。FDBは、Fluid Dynamic Bearing(流体軸受け)の略です。
- *3 SFメディア
- 多層膜で構成される安定化層を記録層の下側に設けることで、媒体の熱ゆらぎによる信号劣化を抑圧し、記録分解能を劣化させずに、高密度記録が可能な記録媒体です。
SFメディアは、Synthetic Ferrimagnetic Mediaの略です。
【商標】
- 記載されている製品名等の固有名詞は、各社の登録商標または商標です。
以 上
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