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[ PRESS RELEASE ] 2001-0184
平成13年10月2日
富士通株式会社
株式会社富士通研究所

実世界の情報を効率的に学習し利用する自律学習技術を開発



富士通株式会社株式会社富士通研究所(社長:藤崎道雄、本社:川崎市)は、実世界のさまざまな情報、例えば、ドアなどの物体の形状、ドアや廊下の位置、ドアの鍵があるかないかなどをコンピュータシステムが自ら学習しながら、その学習結果を活用した情報処理を実現するための手法(自律学習機能)を開発いたしました。
今回開発した技術を用いると、例えば、ロボットが、実世界で人間と協調しながら、さまざまな行動を行うのに必要な、多様で曖昧な実世界情報を学習するシステムの構築が可能になると期待されます。
本技術は、富士通が1992年から参加している「技術研究組合新情報処理開発機構(RWCP:Real World Computing Partnership)」(*1)で開発した成果です。 なお、本技術の詳細は、10月3日から東京ファッションタウンで開催されるRWC2001最終成果展示発表会(*2)にて発表する予定です。

【開発の背景】
実世界の情報をセンサで収集して動作するロボットなどのシステムは、一般に、実世界の情報、たとえば、そこに存在する物体の形状や重さ、その位置などといった情報をうまく処理しながら動作する必要があります。ところが、実世界では、物体の位置や状態は固定的ではなく、常に変化するため、実世界に関する情報や知識を、設計者があらかじめシステムに組み込むことによって、うまく機能させるシステムを構築することは困難でした。
そのため、実世界に関する情報や知識を、ロボットなどのシステムが自律的に獲得する技術の開発が望まれていました。

【今回開発した技術】
今回開発したのは、Matchable状況分解と分散知能アーキテクチャCITTAからなる実世界情報を処理するための自律学習(ALGS: Autonomous Learning and Growth System)技術です。
Matchable状況分解技術とは、センサで収集したデータを分析し、幾つかの典型的な状況、たとえば、ドアの開け方や廊下の歩き方などの環境に関する部分的な知識に分解する技術です。ここで分解した状況は、分散知能アーキテクチャCITTAのモジュールとして利用されます。これらの技術によって、たとえば、移動ロボットがオフィスで指示された場所に行って目的の物を取ってくるという仕事が与えられたときに、部屋のレイアウトや障害物の避け方などを自ら学習して、その仕事を達成することができます(図参照)。また、部屋のレイアウトや障害物の位置が変化したり、異なる仕事が与えられたりしても、過去の学習結果をうまく活用して、その変化に効率的に対応することができます。
本システムを用いて、移動ロボットのナビゲーション実験を行った結果、強化学習のような従来の学習システムにくらべ、約1/10といった少ない経験で状況に応じた適切な行動を学習することができました。

開発した技術の特長は、以下の通りです。
  1. 環境に関する知識を予め分解して学習することができる
  2. 学習した知識を柔軟に組み合わせて利用することができる
この技術によって、実世界に関する知識の獲得、さらには、それらの知識を活用したシステムの構築がほぼ自動的に行えるようになり、システム構築コストを大幅に削減できるほか、経験を蓄積することによってシステムが常に実世界に適応できるようになるなど、ロボットの高機能化につながる技術の基礎になるものと期待されます。

【用語説明】
*1 RWCP
RWCPは1992年にスタートした経済産業省の新情報処理技術開発プロジェクト(http://www.rwcp.or.jp/)のことです。
*2 RWC2001最終成果展示発表会
1992年にスタートした経済産業省の新情報技術研究開発プロジェクトである「RWC(リアルワールド・コンピューティング)プロジェクト」は、今後のネットワーク社会の発展に貢献し得る数多くの研究成果を生み出してきました。RWCプロジェクトが本年度で終了するにあたり全ての研究成果を展示し、皆様にご覧いただく展示発表会「RWC2001」(http://www.rwcp.or.jp/rwc2001/home.html)を開催する予定です。RWCプロジェクトの50あまりある研究テーマの成果について、開発した技術が現在どのように使われているか、また、将来どのように実用化されていくかという視点から、デモ展示を行います。
【商標】
  • 記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
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学習したロボットの移動経学習したロボットの移動経
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以 上

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