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[ PRESS RELEASE ] |
平成13年9月11日 株式会社富士通研究所 株式会社東芝 松下電器産業株式会社 住友電気工業株式会社 |
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SPring-8放射光で半導体ウエハの微量元素を世界最高感度で検出株式会社富士通研究所、株式会社東芝、松下電器産業株式会社、住友電気工業株式会社の4社は、大型放射光施設SPring-8(*1)の高輝度放射光を利用した蛍光分析装置および試料濃縮技術を開発し、微量元素の検出感度を従来の約100倍に向上させることに成功いたしました。
本技術を用いると、ゲート幅50nmのMOSデバイスなどの次世代半導体デバイスを開発、量産する際に不可欠な超微量元素分析が可能になります。
なお、本技術の詳細は、9月11日から愛知工業大学にて開催される応用物理学会で発表する予定です。 【開発の背景】 近年の半導体プロセスでは、多種類の金属材料が使われており、プロセスに無関係な極微量の残留元素が原因で製造欠陥を生む場合があります。たとえば、シリコンウエハに微量の鉄元素が付着するとゲート酸化膜に絶縁不良が生じます。また、銅元素が残留すると、熱処理後にウエハ表面に微小欠陥が生じ、動作不良を起こします。半導体素子の微細化とともに、これらの残留元素をできるだけ少なくすることは、歩留まり向上や素子性能向上のために重要な技術となっています。 ゲート幅50nmの次世代MOSデバイス製造において、ウエハ表面の金属元素を管理するためには、ウエハ表面10ミクロン角(100μm2)に付着する金属原子1000個以下でも検出できる感度が必要です。また、電気特性と微量元素の詳細な関係を調べるためには、100個以下の感度が必要とされています。 このウエハ表面の極微量の元素を分析する方法として、化学分析法と物理分析法があります。
化学分析法では、ウエハ表面をフッ酸で溶かし、回収した溶液を分析することで、最高で銅原子500個程度の感度を得ることができます。しかし、前処理に時間がかかるため、分析に8時間ほどかかるといった欠点がありました。
一方、物理分析法である全反射蛍光X線分析法(*2)の検出感度は3000個程度であり、今後の開発に必要な検出感度が得られませんでした。そのため、蛍光X線の強さが試料照射X線の強度に比例することを利用し、放射光の強いX線を使って、検出感度を向上させるという方法が考えられますが、やはり市販の検出器の性能が不十分なため、十分な感度は期待できませんでした。 【開発した技術】 開発した分析法では、SPring-8ビームライン40XUのきわめて高輝度の放射光(光子1500兆個/秒)に最適な、高エネルギー分解能・低バックグラウンドの波長分散全反射蛍光X線分析装置(*3)を産業用専用ビームライン建設利用共同体(*4)のもとで製作しました。さらに検出感度向上のため、ウエハ表面をフッ酸で溶かし、広い面積の微量金属元素をX線の照射範囲に集める濃縮法(*5)を開発しました。 以上の技術を適用し、各種金属元素を微量添加した標準ウエハにより検出感度を評価した結果、
開発した技術を実際の製造プロセスのウエハ表面の元素分析に適用することで、従来、不可能であった極微量元素の検出が可能になり、素子性能の向上や歩留まり向上が可能になります。そして、2004年ころに予定されているゲート幅50nmの次世代半導体デバイスの量産技術にも対応できるめどがつきました。 【用語説明】
[クリックすると拡大表示されます] 図2 表面微量元素濃縮法 [クリックすると拡大表示されます] 写真 分析装置外観 [クリックすると拡大表示されます] 以 上 |
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