コンパックコンピュータ株式会社(以下、コンパック 代表取締役社長 : 高柳肇、本社 : 東京都品川区)と 富士通株式会社(以下、富士通 代表取締役社長 : 秋草直之、本社 : 東京都千代田区)はこのほど、日本市場においてストレージシステムを中心としたSIビジネスを推進するため、両社のストレージシステム製品とサービスの相互提供と技術協力を進めることで合意しました。
今回の合意に基づき、コンパックと富士通は、相互のストレージシステム関連製品とサービスの提供を行うとともにStorage Area Network(SAN)の標準化推進もあわせて協力して行います。これにより、オープンなSAN環境のストレージシステムを求めるお客様のニーズに幅広く応えることが可能となります。
コンパックと富士通は、今後のSAN分野における標準化を強力に推進するため、ストレージおよびSANに関する業界標準化団体である「SNIA(The Storage Networking Industry Association)」 注1)における活動を通じて技術的協力を行います。
標準化を推進する第一歩として、富士通は、コンパックが提唱するOpen SAN 注2)のコアテクノロジとなる次世代の仮想ストレージ技術「VersaStor TM(ヴァーサストア)」 注3)を支持します。両社は、富士通のストレージシステム体系「Storplex(ストアプレックス) 注4)」の関連製品への適用を行うべく、協議を開始しました。
【両社の合意概要】
1. 日本市場におけるSIビジネスでの協力
- ストレージ統合に代表される新たなお客様の要求に応えるべく、両社が持つストレージシステムのハードウェア、関連ソフトウェアおよびサービスを相互に提供する。
- 両社が、SIビジネスで相互の製品を速やかに取り扱えるようにするために、両社のサーバにそれぞれのストレージシステムを接続するためのソフトウェアを含めた相互接続テストを、コンパック天王洲本社の「ストレージ製品コンピテンシセンター」と富士通 沼津工場の「インター・オペラビリティ・センター(IOC : Interoperability Center)」とで行う。
2. SANの標準化作業を推進
- 両社は、SNIAでの標準化作業にあたって米コンパックのエンタープライズ・ストレージ・カスタマー・センター(コロラド州)に付帯する「Storage Networking Technology Center」注5)(SNIA専用ラボ)に富士通のストレージシステム製品「GRシリーズ」を設置し、共同で検証作業を行うことを計画する。
- 富士通は、コンパックのVersaStor技術を支持し、自社のストレージシステムに同技術を展開すべく、協議を開始する。
コンパックは、業界に先駆け1998年12月にストレージシステムの導入および運用・管理の利便性を高めるコンパックのストレージシステム構想「ENSA(Enterprise Network Storage Architecture)」 注6)を発表しています。そのビジョンに基づき、2000年4月に「Open SAN」および同戦略を実現するハードウェア製品「StorageWorks TM」およびソフトウェア製品「SANworks TM」を発表、さらに2001年には、Open SANのコアテクノロジとなる「VersaStor」を発表しています。
また、世界トップクラスのストレージシステム供給元でありSANプロバイダとして、ベンダーを意識しない異種ストレージによる真のOpen SAN環境を提供していきます。
富士通は、インターネット時代の企業情報システムへのストレージソリューションを提供することを目的に、1999年1月に発表したストレージシステムの体系「Storplex」を発表しております。この体系に基づき、連続運転、異機種サーバ間でのデータ交換・データ共有、統合ストレージマネジメントの3つの切り口に沿ったハードウェア「GRシリーズ」とソフトウェア「SystemWalkerTM/StorageMGR」およびサービス商品を組み合わせてSANに対応したストレージソリューションを提供しています。
さらに、ストレージビジネスの飛躍的な拡大を図るべく、2000年4月に「ファイルシステム事業本部」を新設し、独立事業としてストレージシステムの開発部門の増強と専任の営業部門を設け、販売の強化を図っております。
また、海外市場においては、2000年11月米国にFujitsu Technology Solutions,Inc.を設立し、欧州におけるFujitsu Siemens Computersなどを含めた販売体制を強化することで、グローバルビジネスの推進を行っております。
【補足説明】
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- 注1)
- SNIA : 1998年1月にSANの標準化および推進団体として発足しました。現在、世界のコンピュータメーカーやストレージメーカー、ソフトハウス、販売会社など百数十社が参加しています。SANの標準仕様策定を目的に、ストレージネットワーク管理、バックアップ、ファイルシステムなどの分野でワーキンググループ活動を進めています。
- 注2)
- Open SAN : SANをさらに進化させたストレージ構想です。これまでのように複数のメーカーの異なるサーバを統合するだけでなく、複数のメーカーの異なるストレージシステム、テープライブラリなどを統合します。
- 注3)
- VersaStor(ヴァーサストア) : 米コンパックが2000年6月に提唱したOpen SAN環境を実現する次世代テクノロジです。VersaStorは、仮想ストレージ・プール(ストレージの集合体)を可能とするテクノロジで、ストレージ管理を簡素化するとともに、ストレージシステム環境にも拡張性と性能の面で柔軟性を提供します。コンパックのプレスリリース(2001年1月29日)をご参照ください。
- 注4)
- Storplex : 富士通が目指すストレージシステムの体系で、「フレキシブルコネクティビティ」、「ダイナミックスケーラビリティ」「コンティニュアスデータアクセス」「エンタープライズストレージマネージメント」からなります。富士通は、SAN環境のストレージシステムに求められるソリューションを提供するために、ハードウェア、ソフトウェア、ネットワークなどを合わせた複合体(Complex)として、ソリューションを提供します。
- 注5)
- Storage Networking Technology Center : Storage Networking Technology Centerは、2001年2月1日開設予定です。http://www.snia.org/
- 注6)
- ENSA : ストレージは、エンタープライズシステムのユーティリティであるというコンパックのビジョンです。このビジョンを実現することで、たとえば、電気、ガス、水道のようにだれでも、いつでも、どこでも、情報(ストレージ)が使える環境を実現するものです。
- 【登録商標について】
- 社名、製品名はそれぞれ各社の登録商標または商標です。
以 上
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