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FUJITSU
[ PRESS RELEASE ] 2000-0262
平成12年11月6日
富士通株式会社

インターネットサーバ向け超高速インターネット通信技術"Comet"を開発

当社はこのほど、インターネット通信を高速処理するインターネットサーバ向けの技術"Comet"を開発し、クラスタ用インターネットサーバシステムとして世界で初めて OC48*1を使用したサーバ間通信の実験に成功いたしました。これにより、1Gbpsでのインターネット通信処理、および160Mbpsでのインターネット暗号通信処理を実現できる予定です。

当社は、通商産業省の研究開発プロジェクトであるリアルワールドコンピューティング(RWC)プロジェクトを受託している技術研究組合新情報処理開発機構(RWCP)に参加し、ギガビットインターネットの実現に関する研究を富士通研究所と共同で行なっており、本成果はその研究の一環です。なお、この成果は、11月 6日からダラス(米国)で開催されている国際会議SC2000(Super Computing 2000)の展示セッションで発表します。

[開発の背景]

近年インターネットが急激に普及するに伴い、高品質画像通信、暗号化通信をはじめとして通信性能の飛躍的な高速化が望まれています。通信を高速化するためには、光ファイバーなどによる物理的なネットワーク媒体の伝送速度を高速化するだけでなく、コンピュータにおける通信のための処理を高速に行うことが必要になります。従来はこのコンピュータ内部の通信処理を、主に汎用 CPU がソフトウェア処理で行ってきました。しかし、汎用 CPUでは 100Mbps クラスの伝送速度に必要な通信処理をこなすのが限界で、現在広まりつつあるギガビットクラスのネットワークに対する通信処理を行うことは困難です。

[開発した技術]

従来はコンピュータ内部の汎用CPUで処理されていたインターネットのプロトコル処理や各種ゲートウェイサービス処理などの通信処理を、ネットワークアダプタで高速に処理する技術"Comet"を開発しました。開発した技術の特徴は下記の2点です。

(1)オンザフライ処理方式による高速化

Cometではネットワークアダプタ上に専用の通信処理プロセッサを搭載しています。一般にネットワークアダプタ上で通信処理プロセッサが処理する方式では、データをコンピュータの内部メモリから一旦アダプタ内のメモリに格納した後に処理を行うため、通信遅延が増加するという問題点があります。開発した方式では、データをネットワークアダプタに転送する間に通信処理も同時に行う"オンザフライ処理方式"により、遅延の増加はほとんどありません。

(2)プロトコルの変更に対する柔軟性

Comet はプログラマブルなアーキテクチャをとっており、次世代インターネットプロトコルであるIPバージョン6のサポートや各種プロトコル変更に対してもハードウェアの交換なしにファームウェアの変更だけで対応することが可能です。

Cometの[オンザフライ処理方式]
図 Cometの「オンザフライ処理方式」

Comet を FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)を用いて実現したネットワークアダプタを試作し、1Gbps(125MB/sec)のインターネット通信性能と、160Mbps(20MB/sec)のインターネット暗号通信(Triple DES*2 使用)性能を達成する見通しを得ました。

今後、2000年度末にComet をLSIを用いて実現し、7Gbps相当の処理性能を低消費電力、低コストで実現する予定です。また、当社が2001年に商品化するサーバ製品にCometを適用する予定です。

[用語解説]
1) OC48c
広域バックボーンネットワークで標準的に用いられる光伝送方式であるSONET/SDHを用いたネットワークで、双方向5Gbps(片方向2.5Gbps)の通信性能を持ちます。
2) Triple DES
DESは、データを暗号化する標準方式の一つです。Triple DESはDESを3回繰り返すことで暗号強度を向上させるもので、一般に高速処理が困難とされています。

以 上

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