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1999-0237
平成11年11月4日
富士通株式会社

会話速度で文字入力できる小型携帯端末用の方式を開発

〜 少ないキー数でも素早く入力でき、操作方法も簡単に習得 〜

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このほど当社は、携帯電話などの小型の携帯端末用に、キーボードの配列に特長のある文字入力方式を開発いたしました。この方式により、ほぼ会話速度で文字メールが可能となるとともに、操作方法も簡単に習得することが可能です。ハードキーボードでもソフトキーボード(スクリーンキーボード)でも実現できます。

[開発の背景]

近年、個人ベースにおいても、インターネットや電子メールの利用が広まりつつあり、携帯電話で文字を入力する機会も増える傾向にあります。現状の携帯電話およびPHSの文字入力方式では、文字メールをする際に、テンキーを押す回数が多く、必ずしも使い勝手の良いものではありませんでした。そこで、 文字入力およびかな漢字変換に関して、現状よりさらにキーを押す頻度を低減させた、誰にでも使いやすい 新方式が求められていました。
[開発した内容]
当社ではこの問題に数年前から取り組み、親指1本の操作で仮名文字を、ほぼ会話速度で高速に入力する技術を開発いたしました。キーボード配列の外観は、図のような携帯電話用のキーボード配列に準拠したデザインです。入力は、ローマ字による仮名入力操作です。子音のキー配列順序は、50音順(あかさたな・・・)であるため、使い方は数分で習得できます。具体的には下記の特長があります。
  1. 携帯型文字入力装置の特長
    子音母音文字セットによる仮名入力方式です。ひとつのキーに子音と母音を割り当てた左右2つの キーグループと、子音を割り当てず母音を割り当てた中央の1つのキーグループを備えており、ローマ字 入力で行います。清音のキータッチ数はローマ字の文字数と同じですみます。濁音・半濁音のキータッチ数は子音が2打となりキータッチ数はローマ字の1.5倍(109フルキーボード比較)ですみます。平均して従来型の携帯電話の約半分のキータッチ数となります。なお、ソフトキーボード(スクリーンキーボード)の場合は、他の入力方式と混在とすることが可能です。

  2. 入力例(「か い わ も じ」の場合)
    「か(KA)」の入力は、左側の列にある「K」のボタンを1回押して、中央の「A」のボタンを1回押す。
    「い(I)」の入力は、中央の「I」のボタンを1回押す。
    「わ(WA)」の入力は、右側の列にある「W」のボタンを1回押して、中央の「A」のボタンを1回押す。
    「も(MO)」の入力は、右側の列にある「M」のボタンを1回押して、中央の「O」のボタンを1回押す。
    「じ(ZI)」の入力は、左側の列にある「S」と共通の「Z」のボタンを2回押して、中央の「I」のボタンを1回押す。

  3. 従来型とのタッチ数比較

    入力文 従来 本方式
    きんきゅう いえにtelして あねより 61打 28打
    すこしおくれます ゴメンでんしゃにのりおくれちゃった 93打 48打
    コエガキキタイ ジカンアッタラ ラブコールシテー 72打 44打
    あけまして おめでとうございます ことしもガンバルぞ 99打 50打

    ※従来方式の同一行が連続するとき文字カーソルのシフト操作1打を数えていません。
    また、変換キーを打つ回数を含んでいません。

この様に、使い方はいたって簡単で便利なものです。従来方式に比べて、タッチ数は約半分でありますが、 規則性があるため、文字入力のスピードは会話速度レベルが可能となります。これにより、携帯電話やPHSで、文字メールを楽しく発信することが可能となります。

また、楽に文字入力できることにより、電車の中等で、周りに迷惑をかけずに 相手と話ができるようになります。同様に、聴覚障害者の方も携帯型文字入力装置の入力技術を組み込んだ、トランシーバ等の会話装置を使用して、相手と話をすることが可能となります。

携帯電話、PHS、ゲーム機器、携帯端末、インターネットのWeb上、および測量機器などに広く、携帯型文字入力装置の入力技術を、組み込むことが出来るようにするために、本技術の ライセンスを販売し、技術の普及に努めます。

以上


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