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1999-0108
平成11年5月18日
富士通株式会社

記録密度20ギガビット/平方インチのハードディスク用磁気記録技術を開発

〜 3.5インチディスク1枚で約27ギガバイトの大容量 〜

当社はこのほど、コンピュータの記憶装置であるハードディスク装置(HDD)を大容量化するために、1平方インチ(*1)あたり20ギガビットを記録できる磁気記録技術の開発に成功いたしました。この記録密度は、現在市販されているHDDの3倍以上に相当し、現時点で世界最高の値です。この技術により、3.5インチディスク1枚で約27ギガバイト(216ギガビット)ものHDDの大容量化が実現いたします。

[ 開発の背景 ]

近頃、ホームページで画像や音声などのマルチメディアが使われるようになり、電子メールにもマルチメディアのデータがよく添付されるようになりました。
マルチメディアデータは、静止画で数十キロバイト(圧縮されたデータ)、動画になると1分のデータでも30メガバイト(TVを圧縮したデータ)の容量で、それを記憶するためのHDDには、ますます大容量化が求められています。
装置を大きくしないで大容量化するためには、ディスク面の単位面積あたりの記録密度を向上させるのが最も重要です。現在市販されているHDDの記録密度は、最も高いもので約6ギガビット/平方インチ(3.5インチディスク1枚で8ギガバイト)ですが、今後より高密度のものが求められています。
[開発した内容]
今回、HDDを大容量化するために開発した高密度磁気記録技術は、第2世代GMRヘッド(*2)、極低ノイズ媒体、および極低浮上を実現する新方式ヘッドスライダの3つです。
  1. 第2世代GMRヘッドの実用化に不可欠な耐熱性に優れた積層フェリピンド膜(*3)を新たに開発しました。これによりデータ読み取り出力を従来のGMRヘッドに比べ2倍以上高めることに成功し、0.45μm幅のサブミクロン記録トラックを実現しました。

  2. 記録媒体には、新規にコバルト白金系4元合金を開発し、ノイズの低減と記録情報の安定性の向上を両立させました。この結果、装置の最高使用温度環境における記録信号の減衰を10年で5%程度に抑えることができ、実用化への見通しを得ました。

  3. 20ギガビット/平方インチを実現するためには、ヘッドと媒体の隙間(浮上スペーシング)を15nm程度に安定に保持する技術が不可欠です。このため、従来型に比べ浮上の安定性を大幅に改善できる新型スライダ(Trini-Slider)を開発しました。

上記の技術開発により、20ギガビット/平方インチの磁気記録密度を実証いたしました。この記録密度は、現在市販されているHDDの3倍以上に相当します。
また、この密度を記憶容量に換算すると、3.5インチディスク1枚あたり、約27ギガバイトとなります。
今後、これらの技術を熟成させることにより、1〜2年後の商用化を目指しています。

なお、本件は、5月18日から韓国・慶州で開催される磁気記録関連の学会「インターマグ国際会議」で発表いたします。

[用語解説]

1) インチ
1インチ = 約2.5センチメートル。
2) GMR(Giant Magneto-Resistive:巨大磁気抵抗効果)ヘッド
従来のMR(Magneto Resistive)ヘッドより読み取り感度に優れ、そのため記憶密度を飛躍的に向上することができるヘッド。MRヘッドでは、媒体上の磁気情報を磁性膜上の磁化の向きにより電気抵抗に変換して読み取っているが、GMRヘッドでは、磁性膜を2枚使うことにより、2枚の磁性膜の磁化の向きの角度差により大きな抵抗変化を実現し、読み取り感度を高めている。この結果、小さい信号も読み取れるので、1つの信号に必要なディスク面積を小さくでき、記録密度の向上につながる。
第1世代GMRヘッドのピニンド膜は単一膜構造です。
3) 積層フェリピンド膜
極薄膜の磁性層をサンドイッチ構造に積層した膜。

以 上


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