[ PRESS RELEASE ] |
1999-0055 平成11年3月8日 富士通株式会社 |
当社はこのほど、最先端のGMRヘッド(*1)を搭載し、最大記憶容量10.0GBを実現した2.5インチ磁気ディスク装置3機種を開発し、3月8日よりOEM市場向けに販売を開始いたします。
GMRヘッドを搭載した 2.5インチ磁気ディスク装置としては、当社はすでに昨年8月に製品化をしております。そして2世代目となる今回の新製品は、さらにその性能をアップさせ、大幅な記憶容量の向上が図られております。また、業界最高クラスの対衝撃性の達成と、スループットの向上も実現しております。
[新製品の特長]
新製品は従来装置に比べて、GMRヘッドの読み取り感度をより向上させております。またSF-Trini-Slider(*2)の採用により低浮上化と浮上安定性を図り、面記録密度として5.1ギガビット/平方インチの高記録密度を達成しました。これにより新製品は、12.5ミリ厚のモデルで10.0GB(「MHG2102AT」)、 9.5ミリ厚の薄型モデルで6.4GB(「MHH2064AT」)および3.2GB(「MHH2032AT」)の記憶容量を実現しました。これは従来装置と比べて、1.5 倍の記憶容量の向上となっております。なお本装置は、日本国内及び海外の、OEM市場向けに販売をいたします。また、ヘッドを支えるサスペンションの改良等により、非動作時の対衝撃性として、業界でもトップクラスの700G(1ms)を実現しております(「MHH20XXATシリーズ」)。そして、内部データ転送速度(*3)は、従来装置の最大13.6MB/秒から、最大15.8MB/秒に高速化されており、スループットの向上が図られております。さらに512KBのデータバッファを搭載しており、効率のよいリード/ライト処理を行うことができます。
インタフェースはATA-4に対応しており、最大33.3MB/秒のウルトラDMA転送が可能で す。
[販売目標台数]
[OEMサンプル価格]
・「MHG2102AT」/「MHH20XXATシリーズ」 合計600万台
・「MHG2102AT」(10.0GBモデル) 11万円 ・「MHH20XXATシリーズ」(6.4GBモデル) 7万円
以 上
[用語説明]
*1: GMR(Giant Magneto Resistive)ヘッド
従来のMR(Magneto Resistive)ヘッドより読み取り感度に優れ、そのため記録密度を飛躍的に向上する事ができる、最新のヘッド。MRヘッドでは、媒体上の磁気情報を磁性膜上の磁化の向きにより電気抵抗に変換して読み取っているが、GMRヘッドでは、磁性膜を2枚使うことにより、2枚の磁性膜の磁化の向きの角度差により大きな抵抗変化を実現し(MRヘッド:1.5%->GMRヘッド:6%)、読み取り感度を高めている。
この結果、小さい信号も読み取れるので、一つの信号に必要なディスク面積を小さくでき、記録密度の向上につながる。
*2: SF(Stiction Free)-Trini-Slider
平滑媒体に対しヘッドの浮上量を小さくしても吸着を起こさない、そしてヘッド浮上量をより安定に保つことができるスライダー。*3: 内部データ転送速度
ディスク媒体とディスク装置内のバッファとの間の、データ転送速度。