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1999-0159
平成11年7月23日
富士通株式会社

セキュリティ機能付MO装置技術を開発

当社はこのほど、MO(光磁気)ディスク上に保存したデータの悪用や流出を防ぐMO装置技術を開発いたしました。これにより、情報の安全性が重要な分野など、MOの新たな使い方を拓いていくことが可能になります。

なお、開発した試作品は7月28日から30日まで東京国際フォーラムで開催される「富士通ソリューションフェア '99」に参考出展いたします。

[開発の背景]

パソコンの普及やインターネットユーザの増大により、情報のデジタル化とその流通が劇的なスピードで進んでいます。情報がデジタル化されると流通させるのは簡単ですが、逆に不法コピーなどの悪用が簡単である点は問題視されています。今後、デジタル情報が社会システムのインフラの一部となるためには、これまで以上にデジタル情報の安全性を確保しなければなりません。当社では、インターネットを含むデジタル情報の安全性の向上が重要であるという考えのもと、これまでに暗号技術や電子データの原本性を保証する技術などを開発してきました。

大容量化を進めてきました3.5型MOディスクは、リムーバブル・メディアとして、小容量からギガバイトまでの大量データの保存や受け渡し(ハードディスクのバックアップ、パソコン間でのデータの受け渡し、インターネットやデジタルカメラのデータの保存等)に、広くユーザの支持を得ています。しかし、今後、情報システムが社会システムの一部となることを考慮すると、ギガバイトオーダーの重要な情報がわずか1枚のMOディスクで持ち運べるということは、大量の秘密情報の漏洩など、問題が発生する可能性もはらんでいます。すなわち、大量のデータを手軽に保存・活用できるようにする事が求められる一方で、そのデータが外部に漏れたり悪用されないように管理できること(セキュリティ機能)が、非常に重要になってきます。

[開発した内容]
富士通のMO装置ファームウェア技術およびセキュリティのノウハウを活かすことによって、MO装置内でのセキュリティ機能を世界で初めて実現いたしました。
具体的には、MOディスク上の重要データの流出・悪用を防ぐために、使用できる人の制限(パスワード)、使用できる機器の制限、MOディスクへの書込みの制限など、MOディスクの管理を実現する次のような機能を実現しました。

(1) パスワードによるアクセス制御
ディスクに対するRead/Writeを許可するパスワードを、ディスクに設定できます。パスワードを忘れた場合のために、非常用パスワードを設定でき、非常用パスワードを打ち込むと、Readのみ可能になります。 これにより、パスワードを知らない人は、MOディスクにアクセスできないように管理できます。
(2) 使える装置を制限するアクセス制御
特定の装置でのみRead/Write可能にして、そのMO装置以外ではRead/Writeをできなくする機能です。
(3) 書込みを禁止する機能
更新・修正をしたくないデータを長期保存するために、MOディスク全体を書込み禁止にできます。一旦書き込み禁止設定をすると、書き込み可能状態に戻す事はできません。
(4) メディアID
MOディスク1枚ごとに固有の番号を付けられます。一旦設定したメディアIDは変更できません。MOディスクの管理あるいはMOディスク上に保存した著作物の管理に活用できます。

なお、上記の機能は、1.3GB MOディスク(GIGAMO)に対しのみ設定することができます。アクセス制御をしたMOディスクは、セキュリティ機能を持たないMO装置では使えなくなります。一方、セキュリティ機能を搭載したMO装置では、従来のMOディスク(128MB, 230MB, 540MB, 640MB, 1.3GB)もそのまま使えます。

[今後の展開]
セキュリティ機能を実装したMOドライブを使って、企業内セキュリティ・医療・教育・公共などのシステム/ソリューションに応用(添付資料)していく予定です。

以上


添付資料

【応用例1:アクセス制御を利用した企業内でのデータ管理の概念図

【応用例2:電子データの安全性/保存性を管理するシステムへの概念図

【応用例3:メディアID機能を利用した不正利用防止システムの概念図

以上


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