[ PRESS RELEASE ] |
![]() 1999-0161 平成11年7月23日 富士通株式会社 |
当社は、IAサーバ「GRANPOWER(グランパワー)5000シリーズ」にリレーショナルデータベース管理システム「SymfoWARE(シンフォウェア)」を搭載し、業界標準のオンライン・トランザクション処理ベンチマークテストで、世界最高の性能値を達成しました。
今回の測定は、IAサーバ「GRANPOWER5000 モデル680」に、リレーショナルデータベース管理システム「SymfoWARE Server Enterprise Edition for VLM(シンフォウェア サーバ エンタープライズ エディション フォー ブイエルエム)」を使用しています。 業界標準のオンライン・トランザクション処理ベンチマークテストであるTPC-C(*1)で測定した25,440.60tpmCというスループット性能値は、基本ソフトウェアにWindows NT(R)を使用した4CPU構成のIAサーバでは、世界最高の性能値です。
今回、世界最高の性能値を達成したのは、「SymfoWARE」の高速化テクノロジに加え、インテル社との協力で98年12月に設立した、ソフトウェア製品の性能向上を行う『アプリケーション・ソリューション・センター(ASC:Application Solution Center)』でのチューニングによります。
【「SymfoWARE」の高性能化テクノロジー】
「SymfoWARE」は、これらの高性能化テクノロジに加え、高度なデータ修復を可能とするリバースクリエイション(*6)と、システムの障害に対してアクセスを高速に再開するホットスタンバイなどの高信頼技術を提供しています。 これにより、コンピュータシステムの中枢的な役割を担うミッションクリティカル・データベースに必要な要件をすべて満足しており、インターネット/イントラネットやデータウェアハウス/データマイニングに最適なデータベースシステムとして安心してご利用いただけます。
富士通は、データベースシステムのリーディングカンパニーとして、高信頼/高性能のソフトウェアを提供してまいりました。これまでに、「SymfoWARE」は、テラバイトのデータを取り扱う大規模データウェアハウスから部門のデータマートまで、製造/流通/金融から社会システムまで、5,000社以上のお客様に幅広く採用いただいております。
【測定結果と環境】
【用語説明】
・スループット : 25,440.60 tpmC ・プライスパフォーマンス : $28.57/tpmC ・トータルシステムコスト : $726,817 ・システム名 : GRANPOWER5000 モデル680 ・プロセッサ : Pentium(R)III Xeon(TM) 500 MHz 2MB L2 ・プロセッサ数 : 4 ・基本ソフトウェア : Microsoft(R)Windows NT(R)Server 4.0 Enterprise Edition ・データベース : SymfoWARE Server Enterprise Edition for VLM V1.1 L41 ・トランザクションモニタ : Tuxedo 6.4 CFS ・規約版数 : TPC-C Rev3.4
【商標について】
*1: TPC(Transaction Processing Performance Council)
コンピュータ性能の評価を実施する非営利団体。
TPC-C値の詳細は、TPCのホームページ(http://www.tpc.org/)に掲載されています。*2: アドバンスド・ステージング・コントロール
「SymfoWARE」はデータベース・システム内の処理をユニット化し、独自のディスバッチ機能でCPUをコントロールしてパイプライン的に制御しています。アドバンスド・ステージング・コントロールは、マルチスレッドの特性を活かし、さらに実行単位の切り替えにともなうOSのディスパッチ・コストを最小限にして、SMP構成での能力を最大限に引き出します。*3: ダイナミック・キュー・コントロール
「SymfoWARE」は、新しいトランザクションが発生すると、負荷の少ないCPUに処理を割り当てます。こうすることで、CPU間での負荷均等を図ります。しかし、実行中のトランザクションがいつ終わるかは各トランザクション固有であるため、時間が経つにつれCPU間の負荷にばらつきが発生します。このCPU間での負荷不均等が発生しても、自動的にトランザクションをCPUに再割り当てすることで(ダイナミック・キュー)、各CPUの負荷を均等にし、安定したレスポンスを保証しています。*4: データ・パーティショニング
複数のトランザクションが同一の表をアクセスすると、同時にディスク入出力が発生し、またトランザクション間での排他による待ち関係が発生するために、処理レスポンスが低下します。トランザクション量が増加するほど、この影響は大きくなります。「SymfoWARE」は、これらの処理レスポンス低下を回避するために当初よりデータ・パーティショニング技術を採用し、表やインデックスに適用することで、運用単位の細分化/並列処理化を実現しています。細分化された表やインデックスは内部的には独立して処理されるため、複数トランザクションの同時実行性が高まり、ディスク入出力が分散されます。
また、排他の単位も細分化されるため、トランザクション間の排他待ちが発生しにくくなります。*5: カラムワイズキャッシング
テーブルの中のよく参照するカラムを主記憶上にキャッシングすることにより、ディスク入出力を減らし処理レスポンスを向上させます。更新が発生した場合も、ライトスルー、または、キャッシュから破棄し、通常の更新処理を行うことでデータは保証されます。*6: リバース・クリエーション
データベース管理簿はデータベースへのデータ操作を制御する重要なデータであり、データベース管理簿に障害が発生した場合、一般的にはデータベースの再構築が必要になります。再構築時間は、データベースの規模に比例して増加するため、大規模データベー・システムでは、実運用に耐えられない時間となることも考えられます。
「SymfoWARE」では、データベース管理簿に障害が発生した場合、データベースからデータベース管理簿を復旧する機能を提供しており、これをリバース・クリエーション機能と呼んでいます。これにより、全データベースの再構築を行うこと無く短期間で業務を再開することが可能です。
以上