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平成11年2月8日
富士通株式会社
株式会社 東芝

次世代高速メモリ(FCRAM)の共同開発について

富士通株式会社(以下富士通)と株式会社東芝(以下東芝)はこのほど、昨年12月に締結した両社の半導体メモリにおける包括的契約の一環として、次世代の高速メモリであるFast Cycle RAM(以下FCRAM)を共同開発することで合意いたしました。
FCRAMは、回路の工夫により従来のDRAMに比べて2〜3倍の速いサイクルで動作する新しいメモリです。
両社では、PCメインメモリ以外の特定用途向けメモリとして、64/128/256MビットのFCRAMを開発、99年中のサンプル出荷を予定しております。

DRAMは近年、急激に高速化が進んでおりますが、これまではDRAMを制御するロジックICとのデータ転送速度、すなわちインタフェース部分での高速化を図ってきました。
FCRAMは、これらインタフェース部分の高速化に加えて、DRAMが20年来採用してきた記憶セルアレイ部分の革新を行ったもので、動作速度を従来のDRAMに比べて2〜3倍に高めることができ、消費電力についても従来の半分に低減することを可能にしたものです。

今回の合意に基づき、神奈川県川崎市にある富士通の事業所に、両社合わせて約50名の技術者が結集し、共同でFCRAMのコア,周辺回路の開発や、製品設計および製品の評価を行います。仕様およびインタフェース回路を両社で共通化することにより、互いにセカンドソースを確保します。
また製造については両社で行い、安定供給を目指します。

FCRAMの主な応用分野として、高速性をいかしてグラフィックスや情報家電などのマルチメディア分野、プリンタや通信用のバッファ(一時記憶)メモリの他、高性能情報機器のメインメモリなどが期待されます。

DRAMは長い間、高集積化とビット当たりコストの低減に開発努力を集中し、ベンダー側がお客様に対して標準品を提供するというビジネス形態がとられてきました。
しかし近年、情報化社会の進展と共に情報処理機器の多様化が進み、DRAMにもそれぞれの分野に対応した商品が求められるようになっています。
こうした市場環境の変化に対応するため、FCRAMにおいては、お客様と共に商品の企画,仕様の策定を行い、最適な商品を提供するという新しい形態のDRAMビジネス構築を目指してまいります。


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