[ PRESS RELEASE ] |
1999-0027 平成11年2月2日 富士通株式会社 |
当社は、世界最先端の0.22μm CMOS(相補型金属酸化膜半導体、*2)技術と高信頼技術を採用したグローバルサーバ「GS8800モデルグループ」の新モデル(6モデル)を開発し、2月2日より販売を開始いたします。
今日、企業と社会の基盤であるコンピュータシステムは、ビジネス構造の変革/利用者の拡大/グローバル規模への成長にともない、飛躍的に増大する情報量と処理量、高信頼への対応が必要不可欠になっています。
当社は、これらの課題と環境変化のスピードに対応する新たなコンピュータシステムを提供するために、単体プロセッサの性能を現行モデルと比較して1.5倍向上させ、TCMP(*3)構成12CPUの最上位モデルでは現行モデルの1.7倍、1000MIPSを超えるシステム性能を実現しました。 加えて、超大規模・超高信頼システム構築に向けて、マルチクラスタ・システムの最大接続クラスタ数を8クラスタから16クラスタへ拡大し、あわせてシステム記憶装置(SSU、*4)の4重化機構を提供します。
【新モデルの特長】
【月額レンタル価格と出荷時期】
「GS8800モデルグループ(新モデル 40B、60B、80B、100B、120B、120T)」【販売目標】
- シングルクラスタモデル:7,360万円(税別)より、平成11年4月末出荷予定
- マルチクラスタモデル(16クラスタ):11,300万円(税別)より、平成11年4月末出荷予定
なお、システム記憶装置の4重化機構は、平成11年6月末より出荷予定です。
「GS8800モデルグループ」で、3年間で500台(クラスタ数)の販売を予定しています。【「GS8800モデルグループ」新モデルの特長】なお、今回の新モデルの販売開始に合わせて、現行の「GS8800モデルグループ」10Aから120Aにおいても、クラスタ接続数の拡大とシステム記憶装置の4重化を行います。最大16クラスタ接続は平成11年2月末より、システム記憶装置の4重化機構は平成11年6月末より出荷予定です。
グローバルサーバ「GS8000シリーズ」は、全社情報の一元管理、全社ユーザによる情報共有、他サーバとの大量な情報交換、更には企業の競争力を強化するための基幹データの戦略的活用などを実現する、全社サーバの機能を提供しています。
当社は今後も、サーバ統合による大量情報の高速処理、グローバル・ボーダレスな社会・経済環境に対応した24時間 365日の連続運転、TCO削減などに対し、「GS8000シリーズ」のハードウェアのみならず、ソフトウェアの機能強化を継続します。
昨年 販売を開始した「GS8800モデルグループ」の上位に位置づけられ、当社グローバルサーバ「GS8000シリーズ」の中で最高速の処理能力を有する高性能・高信頼サーバです。最新のCMOS技術を駆使し、単一CPU性能で現行「GS8800モデルグループ」の約1.5倍、12CPUモデルで約1.7倍の性能を実現しています。【「システムソフトウェアパッケージ」の機能強化】
また、当社ECL(*7)機「M-1900」の約2.3倍の性能を実現しています。
- 現行「GS8800モデルグループ」と同様に、TCMPで12CPUを実現した超高密度MCM(*8)や、システムボードといった世界最先端の実装技術を採用しています。
- シングルクラスタモデルでは最大12CPUまで、マルチクラスタモデルでは最大16クラスタ(最大192CPU)まで拡張できます。 モデルグループ全体で約600倍の性能レンジをカバーし、業務量に応じて段階的に能力の拡張ができます。
- クラスタとシステム記憶装置間の転送速度を毎秒700メガバイトとすることにより、システム全体の処理能力を向上します。
- システム記憶装置の4重化構成により、2重化構成の高信頼システムを上回る超高信頼なシステムを実現します。
グローバルサーバ「GS8800シリーズ」では、ソフトウェア製品の選択/手配/導入を容易に行うために、主要なソフトウェア製品をシステムソフトウェアパッケージ(8種類)として、提供しております。今回、ネットワークコンピューティング環境での大量・高速処理を支えるソフトウェア製品として、システムソフトウェアパッケージ4製品の機能強化を実施します。【用語解説】
- 16クラスタ、SSU4重化の高性能・高信頼性システムを支える
:「OSIV/MSP 基本システムパッケージ V11」- マルチクラスタシステムを制御する
:「OSIV/MSP マルチクラスタパッケージ V11」- クラスタ間で高速に並列バッチ処理を実行する
:「OSIV/MSP エクセルバッチパッケージ V11」- 高性能・高信頼なデータベース機能を提供する
:「OSIV/MSP SymfoWAREパッケージ V11」今回の「GS8800モデルグループ」新モデルは、国内のみならず海外関連会社より、欧州・アジア・パシフィックで販売する予定です。
また、当新製品で採用している技術は、IBM互換大型CMOSサーバ「MILLENNIUM GLOBAL SERVER(ミレニアム グローバルサーバ)」でも使用しており、当社および米国アムダール社より、日本、米国などを中心に全世界で販売しています。当社は、グローバサーバ「GS8000シリーズ」を中核とした『マルチサーバ形態による基幹サーバシステム』を実現する製品・サービスを提供し、今後もますます進展するネットワークコンピューティングにおける基幹サーバシステムのソリューションを充実してまいります。
【商標について】
*1: MIPS
Million Instructions Per Second、1秒間に実行される命令の数を100万を単位として表した数。*2: CMOS
Complementary Metal-Oxide Semiconductor、相補型金属酸化膜半導体。静止状態では、ほとんど電流が流れないため、消費電力が少ない特長がある半導体。*3: TCMP
Tightly Coupled Multi-Processor、密結合マルチプロセッサ。複数のプロセッサが主記憶を共有しながら、1つの基本ソフトウェアで動作するシステム。*4: SSU
System Storage Unit、システム記憶装置。EXAアーキテクチャでのシステム間の共用記憶を実現する装置。*5: スーパースカラ
複数の命令を同時に実行する技術。*6: アウトオブオーダ実行
Out-of-Order、命令順変更。 命令の発行と実行、または終了の順序がプログラム記載順序と異なる場合をいう。 同じ順序の場合をIn-Order(インオーダ)という。アウトオブオーダ実行は他の命令の状態にかかわらずオペラントがそろい、演算器に空きがある段階で命令を実行する技術。*7: ECL
Emitter-Coupled Logic、エミッタ結合論理回路。エミッタ結合のトランジスタによって論理回路を構成した高速論理回路。*8: MCM
Multi Chip Module、複数個のLSIチップを薄膜セラミック基板上に搭載したモジュール。
以上