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1998-0248
平成10年11月30日
富士通株式会社

中国でWDM(波長分割多重)システム受注

当社はこのほど、中国福建省章州市郵電局より、WDM(波長分割多重 "Wavelength Division Multiplexing")システムを受注いたしました。
今回受注したプロジェクトは、総延長が546kmで2.5Gbpsのリング構成ネットワークにWDM技術を導入するもので、受注額は約10億円です。

このシステムは、1波あたり2.5Gbpsの伝送容量を16波まで多重化することにより一本のファイバーで最大40Gbpsまで拡張することができ、回線の急速に増大する通信トラフィックに光ファイバーを増設することなく短期間で回線容量を増やすことを可能にするシステムで、今年中に納入する予定です。

当社は、これまでにも、SEA-ME-WE3(豪州、シンガポール間総延長4千500km)、日米間(総延長2万2千km)、サザンクロス(ニュージーランド、米国間総延長2万9千km)等の海底通信事業においてWDMシステムを受注した実績はありますが、今回中国市場では当社として初めて納入することになります。
当社はこの他に、今年10月末に北京で行われた通信総合展示会『PT/Expocomm China 98』において、近い将来基幹通信網の基盤になる、1波あたり10Gbpsの伝送容量で最大32波、計320Gbpsまで拡張可能な伝送容量を実現するシステムを出展いたしました。
また、現在、1波あたり20Gbpsの伝送容量を最大55波で計1.1Tbps(*)まで拡張可能なシステムの開発に取り組んでおり、150kmの距離での伝送実験に成功しております。これは現在世界最高水準の記録であり1998年のギネスブックにも掲載されております。
当社は今後中国のみならず日本国内、世界各国を視野に入れ、マルチメディア社会における効率的で経済的なネットワークソリューションを実現するWDM技術を基盤とした高速光通信システムの開発拡販に更に力を入れていく所存です。

(*) WDM(波長分割多重)とは"Wavelength Division Multiplexing"の略で、 異なる複数の波長を使って信号を多重することにより、1本の光ファイバーの伝送容量を増やす技術。従来のTDM(時分割多重)方式では、現行以上の伝送容量が必要になった場合、新たにファイバーを敷設する必要があったが、このWDM技術により新たにファイバーを敷設することなく大幅に伝送容量を増やせるようになった。
(*) Tbpsとはテラビット毎秒の略で、1Gbpsの千倍に相当する容量。


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