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1998-0238
平成10年11月12日
富士通株式会社

『ビジネスインテリジェンス』を体系化

デーウェアハウスの概念を拡張し、戦略的ビジネスに向けた7製品 新発売

当社はこのほど、これまでのデータウェアハウスの概念を拡張し、システムトータルな『ビジネスインテリジェンス』関連製品:高性能並列データウェアハウスサーバなど、お客様の戦略的なビジネス活動を支援する7製品を開発し、11月12日から販売を開始いたします。

今日、コンピュータを代表とする情報化機器の価格性能比は大幅に向上しており、個人が所有する情報量は飛躍的に増えています。 さらに、扱う情報の種類は、これまでの数字や文字から画像や文書などへと多様化し大きな比重を占めるようになってきています。
このような状況において、企業では競合力の優位性を保つために、多様化した情報を統合して戦略的に活用することが重要になっています。 加えて、ネットワーク上に分散した情報を検索・読み込み・編集し、高性能データベース(データを系統的に整理・管理するためのシステム)に連携させる機能が必要になっています。

当社は、これらの課題に対して、多様化する情報を融合する知識統合を『ビジネスインテリジェンス』とし、総合的なシステムソリューションを提供します。

【『ビジネスインテリジェンス』の特徴】

  1. 世界最高水準の高性能並列データウェアハウスサーバを提供します。
    『ビジネスインテリジェンス』における情報活用に最適なデータウェアハウスサーバ「SymfoWARE Parallel Server(シンフォウェア パラレル サーバ)」を提供します。
    当製品は、汎用のUNIX基本ソフトウェア上で動作し、世界最高水準の高速処理(当社従来比:最大100倍)を実現するために、フルフェイズ パラレル アーキテクチャ(*1)などOLQP(OnLine Query Processing、*2)に最適なアルゴリズムを採用しています。
  2. 文書・マルチメディアを分析するソフトウェア製品(3製品)を提供します。
    膨大なビジネス文書の中から、企業活動に必要な情報を探し出すだけでなく、知識として情報を抽出する、テキストマイニング(*3)製品「SymfoWARE Text Mining Server(シンフォウェア テキスト マイニング サーバ)」と、文書データを直接検索し集計するテキストOLAP(*4)製品「SymfoWARE Navigator for Text(シンフォウェア ナビゲータ フォー テキスト)」を提供します。
    また、「SymfoWARE Parallel Mining Server(シンフォウェア パラレル マイニング サーバ)」は、並列技術の導入により提供中のデータマイニング(*5)の高性能化を実現し、大容量で精度の高いデータマイニングを可能とします。 さらに、 MBR(Memory Based Reasoning、*6)と呼ぶ、高精度な予測技法も追加しました。
  3. ネットワークコンピューティングに対応した3製品を新たに提供します。
    国際標準仕様に準拠した、分散オブジェクト指向のデータベースアクセス製品を提供します。 異なるデータストアの統合的なアクセスを可能にする「SymfoWARE Universal Data Accessor(シンフォウェア ユニバーサル データ アクセッサー)」と、異なるデータストア間の相互データ交換を可能にする「SymfoWARE Universal Data Interchanger(シンフォウェア ユニバーサル データ インターチェンジャー)」を提供します。
    OLAP製品においても、Webブラウザ上での利用が可能な「SymfoWARE Navigator WebSight(シンフォウェア ナビゲータ ウェブサイト)」を提供します。 これにより、Webブラウザ上で、OLAPが実行できます。

【税別価格と出荷時期】
本日発表する全製品の税別価格と、出荷開始予定日、及び動作環境は、以下の通りです。

製品名税別価格、出荷開始予定日、対応基本ソフトウェア
「SymfoWARE Parallel Server」650万円から、1999年2月より、 Solaris、UXP/DS
「SymfoWARE Text Mining Server」380万円から、1999年5月より、Solaris、UXP/DS、Windows NT
「SymfoWARE Navigator for Text」198万円から、1999年8月より、Solaris、UXP/DS、Windows NT
「SymfoWARE Parallel Mining Server」350万円から、1998年12月より、Solaris、UXP/DS
「SymfoWARE Navigator WebSight」198万円から、1999年5月より Windows NT
「SymfoWARE Universal Data Accessor」130万円から、1999年8月より、Solaris、UXP/DS、Windows NT
「SymfoWARE Universal Data Interchanger」130万円から、1999年8月より、Solaris、UXP/DS、Windows NT

【販売目標】
日本国内でのビジネスインテリジェンス関連ソフトウェアの販売は、今後3年間で200億円を見込んでいます。

なお、11月18日(水)から20日(金)の3日間、池袋サンシャインシティ文化会館で開催する『富士通ソリューション・フェア'98』において、今回発表した『ビジネスインテリジェンス』に関するセミナー「ネットワーク時代の情報活用」を行います。

【用語説明】
*1: フルフェイズ パラレル アーキテクチャ
データのローディング、検索などのすべての機能を並列処理することにより高速性を実現する技術。
*2: OLQP
OnLine Query Processing、データウェアハウスからデータマートに格納するデータを高速に取り出す処理。
*3: テキストマイニング
文書やテキストからビジネスユーザが必要とする情報を検索し、これらの文書群からビジネス的に価値のある概念(コンセプト)や知識を要約して取り出す処理。
*4: OLAP
OnLine Analytical Processing、多様で大量なデータの分析視点を、利用者自身が多次元設定することで、有益な、新しい傾向・パターン・相関関係などを発見する処理。
*5: データマイニング
企業活動から発生する、多様で大量なデータを、統計・数学技法を用いて精査することにより、自動的に有益な、新しい傾向・パターン・相関関係などを発見する処理。
*6: MBR
Memory Based Reasoning、過去の事例との類似性から新規顧客の行動を高精度に予測する技術。

【商標について】

【添付資料】

以上


製品概要

「SymfoWARE Parallel Server」
大規模データウェアハウスシステムにおいて、最高の検索性能を発揮するフルフェイズパラレルアーキテクチャなどの高速化技術を実装したリレーショナルデータベースエンジンです。 本製品は同規模環境において、当社データベースシステム従来製品の最大100倍の性能を実現します。

「SymfoWARE Text Mining Server」
ビジネスユーザが必要とする情報を含む文書やテキストを検索し、ビジネス的に価値のある概念(コンセプト)や知識を要約して取り出すことができる製品です。 文書検索では、ブーリアン検索、概念検索、類似文書検索といった手法を採用した高速な検索を提供します。 また、キーワード・アソシエーション及びキーワード・マッピング技術の採用により、文書群から価値ある概念を体系化して取り出すことができます。

「SymfoWARE Navigator for Text」
ビジネスデータとして存在する文書ファイルから企業活動に必要な数値データを取り出し、多次元分析や各種集計を実施して、情報として活用するための製品です。
従来、基幹システムから供給されていたデータに加え、日常業務で発生するスプレッドシートなどを含むさまざまな文書やテキストも情報分析や活用の対象とすることができます。 また、ネットワークコンピューティング時代のデータ記述形式として注目されているXML(eXtensible Markup Language) に対応します。

「SymfoWARE Parallel Mining Server」
当社の先進的なデータマイニング技術にSMP並列処理技術を適用し、大規模なデータに対するデータマイニングの実用性を大幅に向上させる製品です。 従来では難しかったMBR(Memory Based Reasoning)のような、高精度な予測手法も新たに装備し、過去の膨大な事例の中から、類似するパターンを検索し、高精度で予測することが可能になります。 本製品により、当社従来製品の最大50倍の性能を引き出すことができます。

「SymfoWARE Universal Data Accessor」
標準仕様に準拠したオブジェクト指向のインタフェースで、ネットワーク上に分散したさまざまなデータ(数値、マルチメディア情報、文書など)を、分散を意識せずにアクセスすることが可能で、分散環境に適した柔軟性のある業務アプリケーションをより早く効率的に開発することが可能になります。

「SymfoWARE Universal Data Interchanger」
インターネット/イントラネット上における、多様なデータストア間(レガシーデータ、RDB、ODB、文書データ、スプレッドシートなど)のデータ交換(抽出、変換、転送、格納)が容易に行えます。

「SymfoWARE Navigator WebSight」
当社のOLAP(OnLine Analytical Processing)製品である「SymfoWARE NavigatorServer」及びその関連製品を、Webブラウザ環境から利用できるようにするための製品です。 インターネット時代のビジネスインテリジェンスに向け、出張先などの遠隔地から鮮度の高い情報活用ができるようになります。 また、提供中の「SymfoWARE Navigator Communication Server」と組み合わせてご利用いただくことにより、定型帳票の共有や配信から、Webブラウザ上での自由な情報分析まで幅広い、情報活用形態の実現が可能となります。 「Netscape Communicator」や「Microsoft Internet Explorer」など主要Webブラウザに対応しています。

以上


各社からのコメント(五十音順)

[インプライズ株式会社]
「インプライズ株式会社では、富士通殿との協調のもと、Borlandブランドのビジュアル開発ツール「Delphi」「C++Builder」と、SymfoWAREを接続するミドルウェア製品「SQL-Link for SymfoWARE」を共同開発してまいりました。今後、これからの企業内情報システムにおいて、データウェアハウスが重要であると考えております。今回の製品群の発売により、今後さらに、SymfoWAREの活用が加速されることに期待しております。」

取締役営業部長 安藤 由男

[株式会社ジャストシステム]
「データウェアハウス、OLAPのみならず、より高い割合で企業内に蓄積されているテキスト文書のデータマイニングも含む製品群を発表されたことは、非常に大きな意義を持っていると思います。ジャストシステムでは、情報検索システム「ConceptBaseSearch」をはじめ、自動分類や自動要約などテキストマイニングに必要となる要素技術を開発しており、今後この分野で富士通様と提携することによって、企業情報システム市場により大きな寄与ができるものと考えております。」

代表取締役社長 浮川 和宣

[株式会社物産システムインテグレーション]
「今回富士通殿が発表された製品群は、単なるデータウェアハウス構築ツールではなく、ビジネスインテリジェンスを備えた非常に先進的なデータウェアハウスのトータルソリューションであります。この中に弊社の販売しているデータアクセスミドルウェアISG Navigator連携が図られることは大変な名誉であり弊社と致しましても、SymfoWARE製品販売に全力を挙げて協力していきたいと考えております。」

取締役副社長 吉野 眞

以上


プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、富士通お客様総合センターにお問い合わせください。