[ PRESS RELEASE ]
1997-0097
平成9年 5月28日
株式会社富士通研究所
株式会社しなの富士通
「日本語入力用カスタネット型片手キーカード」
の技術開発に成功
--- 自由な姿勢で、高速日本語入力を実現 ---
株式会社富士通研究所(代表取締役社長:佐藤繁、本社:川崎市中原区)と株式会社しなの富士通(代表取締役社長:白鳥孝尚、本社:長野県飯山市)は、モーバイルコンピュータの新時代に向けて、片手だけの操作で日本語入力を高速に実現する技術開発に世界で初めて成功しました。
【背景】
通常のキーボードとマウスは両手で机上で操作をするには適していますが、自由な姿勢で使うことは不可能でした。
当社では、今後の携帯パソコンの小型化・軽量化とモーバイル使用に向けて、英語入力用片手キーカードを研究開発し、昨年国際学会などで発表してきました。
今回、カスタネット型片手キーカード(SHK注1)を用いて高速日本語入力技術の開発に成功しました。
【利用のイメージ】
ノートパソコンにキーカードを接続して、出先でのメール文作成、コンピュータを用いるプレゼンテーション(立ちながら使用)や将来の小型パソコン等。
また、お身体のご不自由な方のパソコン利用をお手伝いできる入力手段とも考えております。
【片手キーカードの特徴】
- 〜 携帯性 〜
- 小型・軽量 (約10cm x 10cm, 100グラム弱)
キーの数18個(その他に予備キー3個)
マウス機能内蔵
パソコンのPS/2ポート注2に接続して使用
- 〜 操作性 〜
- 片手だけでカスタネットのように操作
大変自由な姿勢で使用できます(立ったまま、寝ながら等)
個人差がありますが20時間ほどの練習で30 〜 40 文字/分
(ワープロ検定3,4級レベル 注3)
- 〜 柔軟性 〜
- 試作した日本語入力ソフトはWindows 95/NTで動くフロントエンド(標準IMEを採用)
【少ないキーでの高速日本語入力技術】
- 〜 当社独自の「圧縮ローマ字漢字変換方式」 〜
- 入力はローマ字で行う。但し、一つのキーに二つアルファベットがある場合は、この二つを区別せずに打つ(圧縮ローマ字)。
単語/句/文節などの区切りでARキー(曖昧さ解消キー)を押した時点で、日本語文字列を対話選択する。
- 〜 統計的に使用頻度の高いキーをホームポジションと人差し指に配列 〜
- ローマ字入力における打鍵の8割以上を、ホームポジションと人差し指で実現。
- 〜「長い言い回し」の学習・予測機能 〜
- 「長い言い回し」を自動学習・予測することにより、少ないタッチ数で入力。
- 〜 辞書 〜
- 約10万語(人名、地名、組織名を含む)の独自辞書を使用。
【今後の予定】
5月30日開催の情報処理学会・モーバイルコンピューティング研究会(第一回)で発表します。
【注釈】
- 注1)
SHK: Single Hand Keycard
- 注2)
拡張キーボードなどを接続する標準ポート
- 注3)
日本語入力の速度
ワープロ技能試験 | 1級 90字/分 (現代文) |
| 2級 60 |
| 3級 40 |
| 4級 30 |
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