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1997-0148
平成9年7月24日
株式会社富士通研究所

量産化に適した技術で窒化ガリウム系青紫色半導体レーザの室温パルス発振に成功

〜 世界で初めて減圧式MOVPE法でSiC基板上に青紫色半導体レーザを作製 〜
〜 現状の3倍以上の大容量MO、DVD用光源実用化に向けて前進 〜

株式会社富士通研究所(社長:佐藤 繁、本社:川崎市)では、世界で初めて量産化に適した減圧式の有機金属気相成長法(MOVPE)で製造した窒化ガリウム系青紫色半導体レーザの室温パルス発振に成功しました。さらにSiC基板上での窒化ガリウム系青紫色半導体レーザの発振としては世界で2番目であり、発振寿命は5時間以上を実現しました。
青紫色半導体レーザは、現在の3倍以上の容量を持ち、高精細な映像の情報量を扱える光磁気ディスク(MO)やDVD装置を実現するための必要不可欠な技術であります。

【本技術の意義】
本技術の特徴は、青紫色半導体レーザに、赤色半導体レーザなど従来の半導体レーザの製造法をほとんどそのまま適用できるようになることです。これは、実用化に向けての大きな前進と考えられます。

【本技術のポイント】
今回のレーザは、減圧式有機金属気相成長法を用いた独自の成長技術で、SiC基板上への成長初期過程を制御することによって、高品質の窒化ガリウム系結晶の多重量子井戸(MQW)構造を実現しました。

【本レーザの特性】(パルス動作条件:パルス幅300nsec、デューティ0.03%)

【今後の展開】
今後、しきい値及び動作電流、電圧の低減、横モードの制御、などを図り、2000年頃の実用化を目指します。また、SiC基板は、0.4〜1インチサイズの高品質基板(新日本製鐵製)を使用しましたが、今後、基板のサイズが大きくなることにより、SiC基板を用いたレーザ開発にさらに拍車がかかると考えています。
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