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1997-0018
平成9年2月4日
富士通株式会社

CMOS LSIで世界最高速スパコンのエンハンスシリーズ新発売

従来シリーズに比べて最大で2倍以上の実効性能を記録

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当社はこのほど、従来シリーズのシステム実効性能を大幅に向上させたR&Dサーバ「VX-Eシリーズ」「VPP300Eシリーズ」、スーパーコンピュータ「VPP700Eシリーズ」を開発し、2月4日より販売を開始いたします。

今回のエンハンスは、従来 2.2 GFLOPSであった1PE (プロセッシング エレメント) あたりの性能を2.4 GFLOPS向上させることで、CMOS LSIでは世界最高速の性能を提供しています。 加えてアプリケーション (衝突解析、流体解析、計算化学など)を、当シリーズむけにチューニングすることで、実効性能が大幅に向上しました。 このことにより、チューニングした非線型動的構造解析アプリケーションソフトウェア「LS-DYNA3D」をエンハンスシリーズで実行させた場合、従来シリーズに比べ最大で2倍以上の性能が得られました。 この他に、お客様が開発したアプリケーションの実行性能を向上させるために、Fortran及びCコンパイラを改善し、10〜20%の性能向上を行いました。

今回の性能向上の他に、
- 一つのファイルを複数のPEから直接かつ、同時に入出力を行う「並列入出力処理機能」の追加
- 複数のジョブを効率的に実行する「ジョブスケジューリング機能」の強化、
- 処理装置の障害をバックアップし、継続運転を実現する「PE交替機能」の追加、
- システムの稼働状況を表示する「SysControl:シスコントロール」新製品の提供、
- プログラム開発効率の向上を支援する「VPPワークベンチ」の強化、
- プログラムの並列化を容易に実現する「メッセージパッシングライブラリ」の強化
などを、行いました。

[価格]VX-Eシリーズ(1PE)3,920万円より(税別、買取価格)
VPP300Eシリーズ(4PE)410万円より(税別、月額レンタル価格)
VPP700Eシリーズ(16PE)1,600万円より(税別、月額レンタル価格)

[販売目標] 今後2年間で海外を含めて、120システムの販売を予定しています。

[出荷時期] 平成9年6月末より

当社は、企業や研究所の部門でのスーパーコンピューティング環境を低コストで構築する「VXシリーズ」と、中大規模センターマシンとして高速・大容量の計算需要に応える「VPP300リーズ」を1995年2月に発表しました。 続いて1996年3月には、気象の長期予測や航空宇宙工学、素粒子物理などグランドチャレンジレベルの問題解決や真理の探究ニーズに応えるために、ベクトル型スーパーコンピュータでは世界最高の処理能力を持つ「VPP700シリーズ」を発表しました。
これらのシステムは国内外で好評をいただき、現在まで100システムを超える販売実績をあげております。
今後も、「高速化」「使い易さ」「低価格」というお客様のニーズに応えるために、ベクトル化技術と並列化技術をキーテクノロジーとした製品を開発し、High Performance Computing分野でのトータルソリューションを提供してまいります。

<Eシリーズの主な諸元>
シリーズ名VX-EVPP300EVPP700E
PE数1〜41〜1616〜512
単体PE性能2.42.42.4 (GFLOPS)
システム最大性能2.4〜9.62.4〜38.438.4〜1,228 (GFLOPS)
主記憶容量512MB〜8GB512MB〜32GB8GB〜1TB
PE : Processing Element
GFLOPS (ギガフロップス): 1秒間に10億回の浮動小数点演算ができる処理能力
LS-DYNA3D : LSTC(Livermore Software Technology Corp.) の商標です。

以上

報道関係お問い合わせ先
広報室 小池、小川
電話(03)3216-7952(直通)
e-mail:koike@hq.fujitsu.co.jp
お客様お問い合わせ先
HPC本部 販売推進部
電話(03)3216-9385(直通)
e-mail:hpc_master@siva.strad.se.fujitsu.co.jp

[補足解説]

[システム実効性能の強化]
(1) Eシリーズ
1PE (1台の処理装置) の性能では2.2 GFLOPSとCMOS LSIでは世界最高速の性能をさら強化し、2.4 GFLOPSを実現しました。
R&Dサーバ「VX-Eシリーズ」では最大9.6 GFLOPS、「VPP300Eシリーズ」では最大38.4 GFLOPS、最上位機の大規模スパコン「VPP700Eシリーズ」では最大1,228 GFLOPS (1.228 TFLOPS) という高性能なシステムをご利用いただけます。
また、処理装置あたりの主記憶容量は512 MB、1 GB、2 GBの中から選択できますので、利用環境に合わせたPEと主記憶容量の組み合わせが柔軟に行えます。

(2) チューニングの実施
衝突解析、流体解析、計算化学分野などの流通アプリケーションパッケージに対して、VX/VPPシリーズ向けにチューニングを実施し、大幅に実効性能の向上を図りました。
また、Fortran及びCコンパイラの強化もあわせて実施しています。

(3) 入出力処理の高速化
1つのファイルを複数のPEが直接かつ同時に入出力処理を行う「並列入出力処理機能」を提供し、システムの高速性を高めています。
また、当社がOEM調達している米国MAXSTRAT社の超高速ディスクアレイ装置「ストレージサーバ Gen5シリーズ」 (RAID 5時装置あたり最大800 GB)をHIPPI等の高速インターフェースで接続できます。

[使い易さの追求]
(1) ジョブスケジューリング機能
混在する複数のジョブを効率的に実行するために、PE資源を適正に各ジョブに割り当てる機能や、複数の並列ジョブを各PEで実行する際にPE間で同期をとることにより効率的に実行させる機能など「ジョブスケジューリング機能」の充実を図っています。

(2) SysControl機能
システムの稼働状況、ジョブ実行状況、PEの負荷状況などをワークステーションからグラフィックでわかりやすく表示する「SysControl機能」を提供します。

(3) PE交替機能、縮退/拡張運転機能
システム管理を行っているPEが障害などでダウンした場合、待機PEを保持しておくことで迅速にシステムの再立ち上げを行い、運転を継続することができる「PE交替機能」や、省エネ運転のために、システム内のあるPEグループを夜間に運転し、昼間は電源を切断する運用が可能な「縮退/拡張運転機能」 (VPP700E、VPP700シリーズのみ)を提供します。

[プログラムの開発効率向上を支援するツールの強化]
(1) 統合開発環境VPPワークベンチの強化
ユーザから透過的に利用できるように、ワークステーションと連携してクロスコンパイル、デバッグ、ログ表示、チューニングなどが行える統合開発環境「VPPワークベンチ」を強化しています。

(2) プログラム開発環境強化
高速な並列分散処理を可能にするメッセージ・パッシング・ライブラリ「MPI」をサポート。さらに「MPI-2、MPI-IO」にも対応していく予定です。
また、メッセージ・パッシング特有の複雑な動作状況をグラフィックでわかりやすく表示する共通開発支援ツール「MPTools」を提供します。