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平成8年9月27日
富士通株式会社

国内初! ドルビー・ディジタル(AC-3)+Pro Logic デコーダ
プログラム開発用の高性能 DSPを販売開始

当社はこのほど、Dolby Laboratories, Inc.が開発した、マルチチャネルディジタルオーディオ信号符号化方式のドルビー・ディジタル(AC-3)5.1チャネルと、Pro Logic(サラウンド効果をだすアルゴリズム)のフルデコードを実現するための、プログラム開発用高性能デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)「MB86341」を国内で初めて製品化し平成8年10月からサンプル出荷を開始いたします。

現在、マルチメディア・オーディオにおいて、臨場感あふれる音をつくるための信号符号化方式として、主に採用されているのが、Dolby Laboratories, Inc.が開発した「ドルビーディジタル(AC-3)」と呼ばれるものです。
これは、最大5.1チャネルのオーディオ信号を、人間の聴覚特性を考慮することによる知覚符号化を施し、人の耳に不要な音域を取り除くことによって、音質を低下させることなく、32kbpsまで圧縮することが可能です。
'94年末から米国のHDTVで実験放送を開始したのを皮切りに、最近ではDVDのオーディオ処理方式としても採用され、今後はCATVなど様々なマルチメディアシステムに適用されていくと期待されています。

本製品は、命令/定数/データ用のオンチップメモリとして24Kワード×20ビットという大容量RAMを備えた、ドルビーディジタルを実現するプログラムを開発するDSPです。
当社の最新テクノロジである、0.35ミクロンCMOSアルミ3層プロセスを用いて、55.2MIPSという高速処理性能と高精度演算性能とを兼ね備えております。
また、周辺回路として、3線式オーディオシリアルインターフェイス,ホストインタフェース,汎用ポート,エミュレータインタフェース,外部メモリインタフェースなどを装備しており、お客様は最低限の周辺回路を構築するだけでDolby Digital(AC-3)をはじめとするマルチメディアオーディオシステムを容易に開発することが可能となります。
なお、去る7月、Dolby Laboratories Licensing CorporationにてDolby Digital(AC-3)のIC認証試験に合格しています。

【サンプル出荷】平成8年10月から
【価 格】10,000円
【販売目標】平成8年11月から500個/月(技術開発品のため、受注生産)

【主な特長】

  1. 6つの並列動作を1サイクル(18.1ナノ秒)で実行可能
    積和演算,2つのアドレス演算,2つのデータ転送の並列動作を1サイクル(18.1ナノ秒)で実行可能です。積和演算器とメモリに格納されている乗数,被乗数を選択するための2つのアドレス演算器, 2本の20ビット内部バスを経由してのデータ転送がすべて並列に1サイクル(18.1ナノ秒)で動作できます。この高い処理能力により、ドルビー・ディジタル(AC-3)5.1 チャネルフルデコードとPro Logicの両方の処理を、1チップで行えます。

  2. 多彩な乗算/積和演算命令による効率的な多精度演算が可能
    2種類のシフタを内蔵した積和演算器とそれらを制御する演算命令によって、ドルビー・ディジタル(AC-3)のような高精度演算を必要とするアプリケーションが実現可能になります。

  3. 大容量メモリ搭載
    DSP内部に大容量メモリを持っているため、外部にビットストリーム, 係数,プログラム格納用メモリを持つ必要がなく、1チップでドルビー・ディジタルのデコードが可能です。
    内部メモリの構成は、1フレーム分のビットストリームと演算ワーク用に使用できる14kwのデータRAM と3kwの係数格納用RAM,7kwのプログラムRAM,256wのアプリケーションプログラムRAMにより構成されています。

  4. 柔軟性のあるディジタルオーディオインタフェース機能
    ディジタルオーディオインタフェースレシーバ/トランシーバ,ADC,DAC とのオーディオデータ入出力処理を行えるように、さまざまなオーディオ入出力フォーマット に対応可能な入力2ch,出力6chのオーディオインタフェースポートを持ちます。
    またオーディオシステムクロック(384倍のサンプリングレート)から32kHz,44.1kHz,48kHz のサンプリング周波数に対応したオーディオインターフェイスクロックとすべての内部システムクロックを発生することができます。

[別紙] 主な仕様
以 上


プレスリリースに記載された製品の価格、仕様、サービス内容、お問い合わせ先などは、発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。あらかじめご了承ください。ご不明な場合は、富士通お客様総合センターにお問い合わせください。