経営方針
1.会社経営の基本方針
当社グループは、常に変革に挑戦し続け、快適で安心できるネットワーク社会づくりに貢献し、豊かで夢のある未来を世界中の人々に提供することを企業理念としております。そのためには、健全な利益と成長を実現し、企業価値を持続的に向上させることが重要と考えております。
当社グループは、グローバルな事業展開から地域に密着した事業展開にいたるまで、お客様の事業に貢献することを通じて、お客様にとってかけがえのないパートナーとなり、お客様とともに成長することを目指してまいります。
2.中長期的な経営戦略、目標とする経営指標及び対処すべき課題
現在、世界経済は、米国に端を発する金融不安を受けて先行きが非常に不透明な情勢となっております。IT市場に関しましても、お客様の新規投資や消費支出の減速傾向が、ハードウェアを中心に影響を及ぼすと見ております。一方でITは社会やビジネスのインフラを支えており、その維持・強化の重要性に変化はないと考えております。また、不透明な経済情勢の下、効率化や経営革新を実現する手段としてITが担うべき役割は大きいと考えております。
このような環境において当社グループが収益力の維持・向上を図るためには、事業全体の効率化をさらに推進するとともに、新たな成長機会を追求していくことが不可欠と認識しております。当社グループは、グローバルなビジネス体制の強化をすすめるとともに、当社グループが提唱する「フィールド・イノベーション」により、自らの革新とお客様への価値提供を追求します。また、地球環境保護が世界的な命題とされる中で、全ての事業領域において地球環境保護ソリューションを提供していきます。
当社グループは、2009年度に連結営業利益率を5%超とすることを2007年度に中期目標として掲げましたが、現下の経済情勢により、2009年度での達成は困難な見通しとなっています。引き続き、早期達成に向けて取り組んでまいります。
- 2-1. テクノロジーソリューション
-
当社グループは、プロダクトとサービスの両輪で、グローバルにビジネスの拡大を図ってまいります。
その一環として、ドイツのシーメンス社との合弁会社で、欧州市場でサーバなどのプロダクトビジネスを展開していた、富士通シーメンスコンピューターズ(現富士通テクノロジーソリューションズ)を2009年度より完全子会社といたしました。これを契機に、グローバルビジネスの社内体制の再編をすすめ、グローバル視点で考えるとともに、地域に根ざした事業活動を展開してまいります。
また、IT利用の形態が所有から使用へと変化しつつあることを先取りし、将来に向けた事業領域を引き続き開拓してまいります。
事業の効率化への取り組みも一層強化してまいります。トヨタ生産システムによる改革は製造部門での活動を一層加速しつつ、ソフトウェア開発へ適用を拡大してまいります。加えて、サービスの工業化及び標準化を推進し、品質とコストの改善を図るとともに、ITプロジェクトのリスク管理を引き続き徹底してまいります。また、運用を含めたシステム全体の品質は重要な価値と認識し、ビジネスや社会の基盤を支えるシステムの安定稼動を保証するため、総力をあげて取り組んでまいります。
- 2-2. ユビキタスプロダクトソリューション
-
ユビキタスプロダクトソリューションは売上規模の拡大をグローバルに追求してまいります。パソコンビジネスについては、製品ブランドをグローバルに統一し、より付加価値の高い製品ポートフォリオを拡充するとともに、グローバルなサプライチェーン管理によりコスト競争力を高めてまいります。携帯電話ビジネスについては、無線技術を含め、最先端技術が集約されており、今後のユビキタス社会におけるキープロダクトと位置付け、パソコンとの融合化を見据えて成長戦略を強化してまいります。また、日本市場で培った技術をベースに海外市場への展開を図ってまいります。HDDビジネスについては、景気後退の影響を特に強く受け、単独での事業継続は困難と判断し、ドライブ事業は株式会社東芝に、記憶媒体事業は昭和電工株式会社に事業譲渡することで両社と合意に至りました。2009年7月1日を目標に両社への譲渡完了をめざします。なお、HDD用ヘッドの開発および製造は2009年3月末で終息いたしました。
- 2-3. デバイスソリューション
-
LSIビジネスについては、2008年9月以降の急速な市場環境悪化によってお客様における景況感が急速に悪化し、LSIの市場規模が急激に縮小いたしました。この急激な事業環境の変化を受け、縮小した市場規模の中でも利益を上げられる費用構造へ変革すべく、特に市場縮小が著しい基盤テクノロジー商品の生産体制を見込み需要に見合った規模に最適化するとともに、人員を当社グループ内で再配置することを決定しました。加えて、最先端テクノロジー開発・量産にかかる費用が巨額化しているだけでなく、LSIの付加価値がプロセス・テクノロジーから設計・企画にシフトしていることから、今後は先端テクノロジー商品のうち40nm世代以降については、様々なデジタル機器の付加価値の源となるASSP(注1)およびASIC(注2)の設計・開発に経営資源を集中し、製造は他社へ委託することを前提としたビジネス体制へ変更いたします。基盤テクノロジー商品につきましては、既存設備の活用を図るとともに、成長が期待できるアジア市場をはじめグローバル市場に向けた汎用商品に注力してまいります。
注1 ASSP: Application Specific Standard Productの略。特定分野向けに機能特化した汎用LSI。
注2 ASIC: Application Specific Integrated Circuitの略。特定用途向け専用LSI。
- 2-4. 全社的な取り組み
-
以上のような各ビジネスでの取り組みに加え、今後とも、グローバルなビジネス展開を加速するために企業買収や他社とのアライアンスも引き続き活用してまいります。また、グローバルな人材育成や組織体制の強化にも取り組んでまいります。
当社グループでは、ビジネス現場の課題の可視化と継続的な改善を追求する「フィールド・イノベーション」を推進するため、お客様の業務を深く理解し、業務の視点から改善を提案できる人材「フィールド・イノベータ」を育成してまいります。
また、ものづくりにおける生産革新運動に継続して取り組むとともに、社内のあらゆる活動において徹底的に無駄を排除する全社活動を発展させ、総コストマネジメントに取り組んでまいります。
環境活動については、2008年7月に地球環境問題の解決に向けて、富士通グループが果たすべき役割と方向性を示した中期環境ビジョン「Green policy 2020」を策定しました。本ビジョンは、「創造」「協働」「変革」をキーワードに、自らと社会の環境イノベーションを起こすことで、低炭素で豊かな社会の実現を目指すものです。富士通グループは、2020年には国内で年間約3,000万トンのCO2排出量の削減に貢献することを目指します。
以上のような課題を不断の努力を積み重ねることにより解決し、お客様のパートナーとなり、快適で安心できるネットワーク社会づくりに貢献できるグローバルな企業としてお客様や社会から信頼されるよう一層の自己革新を図ってまいります。
