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1998年度(平成10年度) 単独および連結決算概要

(自 平成10年4月1日 至 平成11年3月31日)

平成11年5月25日
富士通株式会社

Pathwayプロジェクトの変更について

英国ICL社はこのほど、英国貿易産業省、社会保障省と共同で進めていたPathwayプロジェクトについて、当初の計画を大幅に変更した上で継続することで、英国政府と合意に達しました。

Pathwayプロジェクトは、全英19,000局の郵便局の業務効率化と、郵便局を通じた社会保険給付を行う自動化システムの構築・導入・運用に関する大規模PFI(注)プロジェクトとして、英国郵便公社(貿易産業省所管)、社会保障省、ICL社の間で1996年に契約されました。このプロジェクトは、システム構築・導入・運用の費用をICL Pathway(ICL社の100%子会社)が負担し、サービスが開始された際の業務処理量に従って政府から収入を得る計画のものでした。その後、作業は順調に進み、既に250の郵便局での運用が開始されていました。

このほど英国政府がプロジェクトの見直しを行った結果、社会保障省は銀行振込による社会保険給付を進めることとなり、当初計画していた磁気カード利用による郵便局を通じた社会保険給付のためのシステム要件がなくなりました。この結果、プロジェクトをPFI契約ではなくICL社と郵便公社との間の通常の契約に変更することに、英国政府とICL社は合意いたしました。契約は2005年3月までの約10億ポンドの定額契約となります。このプロジェクト変更により、ICL社は1999年3月期決算において、磁気カードによる社会保険給付システムの今までの開発費1億8000万ポンド(約381億円)の損失引当を行いました。

今後、郵便局の自動化は加速的に進められ、2001年の3月末にはプロジェクトが完成する計画です。これは英国でも有数の大規模かつ信頼性の高いネットワークとなる予定です。
英国政府は、各省庁業務のコンピュータ化、ネットワーク化による効率化と市民へのサービス向上をめざしたModern Government構想を推進しています。全国津々浦々にはりめぐらされた郵便局のネットワークは、市民への各種サービス提供の中枢になるものと位置づけられます。Pathwayのシステムは、郵便局がネットワーク・バンキンクや、住所変更届け、社会福祉情報の請求、税金還付時の受け取り等々の各種サービスを提供するための重要なプラットフォームとなります。
ICL社は、これまでのインターネット、コールセンター、情報キオスクなどにおける実績が認められて郵便公社から優先指定業者に選ばれました。今後とも、郵便公社と協力してITによる市民サービス向上プロジェクトに積極的に参画してまいります。

(注)PFI: Private Finance Initiativeの略
社会資本整備、公共サービスの運営を、民間事業者の資金と経営ノウハウで実施する方式。

以上